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フットケア事業
はじめに

食文化の欧米化にともない、生活習慣病が増加している。日本においても、糖尿病患者、潜在的な糖尿病予備群とされる人、閉塞性動脈硬化症などの抹消循環障害の疾患患者は年々増加していることが国の統計結果から出ています。

それらの患者さんにあらわれる症状として足病変があり、足部の潰瘍、壊疽 などの治療は困難なケースが多く、病態により切断にいたる症例もあります。

いかにして足を守るのか?切断を回避するのか?という課題に対して、フットケアの必要性が注目されており、文化として必要とされています。

糖尿病やPADなどの足病変に対して治療を行う上で重要になるのが、

  1. 糖尿病のコントロール
  2. 血流のコントロール
  3. 感染のコントロール
  4. 荷重のコントロール

この4大コントロールであり、フットウェアは荷重コントロールを実現します。

荷重コントロールとは患部の除圧(圧の分散)を行うことで外圧を除去し創傷治療を行うことです。いかに他の糖尿病のコントロール・血流のコントロール・感染のコントロールが適切に行えていても、不適切な外圧が加わると傷は治癒しません。また、足病変の多くは足部変形をともなっていることが多く、健常な足に比べて形状面・機能面どちらからみても、局所的に圧が集中しやすい足であると言えます。

キズが出来る原因として外的要因の70%が靴擦れであると言われていることからもフットウェアによる荷重コントロール(圧の分散)は治療中において、また治癒後も含めた患者様の生活をサポートする大きな役割を果たすと言えます。

昨今において、ちまたでは多種多様なフットウェアが溢れていますが、足に合わせた適切な靴を使用している方は少なく感じます。 軽ければ良い、 履きやすければ良い、という訳ではありません。

足に害のない適正なフットウェアの必要性を見直し、足に合わせたフットウェアを使用することで足を守り、生活を守ることを実現すると考えます。

フットウェアによるフットケアアプローチ

糖尿病・PADなどによる足病変に対して、

  • ①創傷部を除圧するフットウェア
  • ②治癒後の再発予防のフットウェア
  • ③廃用性症候群を予防し歩行獲得を目的とするフットウェア

によりフットケアにアプローチしています。

(※フットウェアとは足に装着するものすべてのものであり、靴・インソール・靴下、AFO(短下肢装具)、義足などを指しています。)

フットウェアの種類
治療用サンダル
フェルトや専用素材と合わせて使用するサンダル。踏み返しが出来ない硬い底材と、アライメントにより除圧を行う。
足に合わせた足底装具(インソール)・整形靴・特殊靴
潰瘍の一次予防や再発予防にはインソールは不可欠であり、足底部の形状に合わせた形状と、専用材料で除圧(分圧)を行います。
靴は、足長・前足部の幅・後足部の幅・甲の高さ・トゥの高さ・底形状など足に合わせた形状と仕様で除圧(分圧)を行います。
医療用フェルト
除圧専用材料を使用し、潰瘍の 除圧を行う。臨床においてその場で加工・装着を行うことが可能。
短下肢装具(AFO:Ankle Foot Orthosis)
潰瘍の位置や大きさによっては、下腿部で支持し免荷を行う必要がある場合があります。また関節固定を行うことで潰瘍部の除圧効率を大きくする。(外圧だけではなく、皮膚の動きや剪断力を除去することができるAFOは潰瘍治療に大きな有用性があります)
義足
マイナー切断(小切断)では、健常な足と比較して、 体重を支持する機能も支持面積も大きく劣るため、しっかりとした 除圧が必要となります。
メジャー切断(大切断)  では、断端のボリューム調整と保護を考慮したシリコンライナーなどを使用します。